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死ぬかと思った - 2014.09.27 Sat

今日は日帰りの小旅行。9月の終わりだというのに日中は30度を記録したが、雨に降られることを思えば贅沢は言えない、結構な旅行日和だったのだが、日頃の行いが悪いのか、以下は旅先で大変な目にあったというお話。

新幹線で京都から岡山まで行き、瀬戸大橋線に乗り換えて児島へ、そこからは船で目指す本島へ、というのが今日の予定だったのだが、船に乗り遅れてしまった。船の乗り場はJRの児島駅に隣接しているはずだから、5分あれば十分でしょとなんの根拠もないまま予定を立てていたのだが、大ハズレ。ホームを下りて船着場まで7分くらいかかってしまったのだ。
この種の失敗をこれまで何度もしてるのにまたヤッチマッタ。学習能力がないというより、これは俺の判断に間違いはないという、うぬぼれのなせる業なのだ。
次の船は4時頃までない。まだ10時前である。マイッタ。

この旅行の目的は、いま準備している映画のためのシナリオハンティングだった。
もう10年くらい経つのか。瀬戸内海に浮かぶ小島に時計修理の名人がいて、そのひとにスポットをあてたテレビ番組を見た。来月、A級Mで上演される「Moon guitar」は、ヴェンダースの「アメリカの友人」を下敷きにしたものだが、実は以前にもこの映画を下敷きに戯曲を書こうとしたことがあり、映画ではブルーノ・ガンツが演じた男の職業(額縁職人)を、この番組を見て、時計修理の名人にしようと決めたのだった。
 
瀬戸内海の小島に、世界各地から注文が来る時計修理士がいる。ある日、彼のところに時計を直してほしいと男がやってくる。それ以後、毎週のように東京からはるばるその男はやって来る。主人公は、当初はそのしつこさにうんざりしていたが、テレビのドキュメンタリー番組のカメラマンであるらしい彼の話が楽しく、いつか彼の来訪を心待ちするようになる。
何度目かの来訪の折り、男は意外なことを口にする。今日は本当の話をする。わたしがここへ来た本当の目的は、時計修理の依頼ではなく、殺しの依頼なのだ、と。殺してほしい相手は、地球侵略を企てている宇宙人。自分は政府機関で働いていて、これは国からおりてきた密命で …と、まったく荒唐無稽な話なのだが、それが逆に主人公の好奇心をそそり、その仕事を引き受けることにする。そして …

と、まあこんな話を考えていたのだが、なかなか戯曲にならず、そのままにしていたのだ。
で、大学もやめて時間はたっぷりあるし、この話を芝居ではなく映画にしようと考え、そのための小旅行だったはずが …

目的地に決めた本島は、その時計修理名人が住む島ではなく、たまたまネットで調べて、ここがいいんじゃない? と、まあ適当に決めた島。きっと、このいい加減さが思わぬ不幸を招いたのだ。

このまま帰るのも癪だし、別の島にしようかと考えたのだが、四国の丸亀からも本島行きの船が出ていることを思い出し、瀬戸大橋線に再び乗って丸亀へ。考えてみればこれも無茶な話で、こっちの都合がいい時間に船が出ているかどうかを調べてから行けばいいのにそれをせず。が、運よく、12時10分発の本島行きの船あり。こういうまぐれ当たりが時々あるから、同じ失敗を何度も繰り返すわけですよ。
船の出発まで1時間ほどあったので、丸亀の街をぶらぶら歩いて丸亀城へ行く。お城は立派だったが、途中の商店街が軒並みシャッター通りと化していて、胸が痛む。アーケードの解体工事を見て更に。地方創生? 無理だろ。
 
12時半。ようやく目的地の本島に到着。船着場にレンタルサイクルの貼紙あり。普通車500円、電動1500円。島の一周は電動がいい、とも書いてある。おじさん(といってもわたしよりは若い)に一周何キロ? と聞くと16キロだと言う。それくらいの距離なら高い電動を借りずとも、次の丸亀行きまで2時間あるから大丈夫と考えたのが、あまりにもおバカさん。

わたしの勝手な想定では、というより、10年前に見たテレビではそうなっていたはずだが、島で唯一の、何軒かの店がひ並んだ商店街があって、主人公の時計屋はそこにあるのだ。
島の地図を見て、商店街はこころ辺にとあたりをつけていったのだが、空振り。じゃ、あそこら辺かなと別のところに行ってもまた空振り。いくら走り回っても、かって商店街があったという気配さえない。
分かった、ないわけね。じゃ、島をひと回りして帰りましょう、と気持ちを切り替え自転車を走らせていたら、これが大変なことに。
ある地点から、坂また坂で。だから電動じゃないとダメなのかと気づいた時にはもう遅い。上りは自転車を引きながら歩き、下りになると自転車に乗っての繰り返しだが、かなりの急坂だから下りはもの凄いスピードが出る。
最初は慎重にブレーキをかけながら下っていたのだが、船の時間が刻々と迫り悠長なことはしてられないと、ブレーキをかけずに猛スピードで下って行ったらハンドルの制御がきかなくなり、転倒! 激しく頭部を舗装した道路に打ち付ける。ボーとして頭に手をやると血で真っ赤に。

複数の人々に竹内さんは100歳まで生きると言われ、自分でも100まではともかく事故にでもあわなきゃ80くらいまでは生きるはずと思っていたのだが。え? 俺はここでこんなことで死ぬわけ? とその時思った。
とにかく港まで行こう。左手で流れる血を押さえ、右手にハンドルを持ち自転車を引きながらトロトロ歩く。確か10分くらい前に見た標識には港まで3キロとあったから1時間くらい歩けば着くだろうと思っていたら、な、なんと、新しい標識には港まで5キロとある。なにがドーなっているのか。いや、道を間違えたのだ。もと来た道を引き返す? あの坂また坂を?!喉が渇き、唇も乾いてくる。水だ。水分を摂らないと死ぬゾ。でも、店はなく、自動販売機も見当たらない。こりゃ万事休すだ ……

というようなことがあったわけですよ。もちろん、いまこんなことを書いてるわけだから死なずにすんだんですけどね。
命からがら(はオーバーだ)港に着くと、船着場のおじさんが、車で診療所に連れて行ってくれ。
ケガ? まあ、かすり傷程度で。頭には相当の衝撃があったはずなんだけど。現時点では、気分が悪いなどということもなく。

よかった、頭が堅くて。
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