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美しさ=人知を尽くし、超えたもの - 2014.07.14 Mon

ワールドC、ドイツ優勝で幕を閉じる。
決勝戦は3時に起きて、初めから終わりまで全部見る。まことに熱のこもった、互いに死力を尽くした文字通りの激闘。
脚が1センチ伸びるか伸びないかで、相手のパスを止められるかどうかが決まり、それが時に勝ち負けを決める。
これはサッカーに限ったことではないが、トップレベルのスポーツの試合というのは実に厳しく、人間の能力の限界を超えているのではないかと思わせるその厳しさが、美しさと感動をもたらすのだ。

週末、卒業生の吉川さんから送られてきた戯曲を読み、感想・アドバイスを書いて送る。
それは卒業戯曲として書かれたもので、かなり刺激的な作品なので、書き直してどこかの戯曲賞に応募してはどうかという、わたしの進言もあって書かれたもの。
わたしはこれまで、岸田戯曲賞をはじめ、幾つかの戯曲賞の選考委員をつとめたが、吉川さんのそれは、それらの受賞作となんら遜色のない出来栄えで、というより、それらとは明らかに異質の、わたしもあまりお目にかかったことのない作品だ。それだけに、応募をしても審査員の賛意を得られるかどうか。

前に、助成金の審査について触れたが(書かない方がよかったと反省している)、審査員、選考委員の中には、どういうわけか、不適と思われるひとが必ず混じっている。
以前にこんなひとがいた。ある戯曲賞の選考の場で、受賞作に決まった作品を、そのさる御仁は、「わたしは渋谷でチャラチャラしてるような若者は嫌いなので、そういう人物が登場するこんな作品は認めない」とおっしゃったのだ。そんな個人の趣味を評価基準にすること自体が驚きだが、そういうアリエナイ見解を堂々と公表する神経に呆れはてた。
最終選考は、委員たちの議論によって受賞作が決められるのだが、一次審査は担当委員が応募作を手分けして読み、「個人的判断」のみで決められるので、運悪くこんな恐ろしいひとにあたってしまったら、吉川さんの作品は間違いなく闇に葬りさられるだろう。理不尽なことこの上ない。 吉川さんの幸運を祈ろう。

助成金審査を辞退したのは、そういう責任の重さを引き受けることがしんどくなったからでもあるのだが、それとは別に、どこかに出かけることが面倒になった、という事情もある。
そもそも、子供の頃からわたしは出不精だったが、ここにきてその度が増している。よく考えたら、京都に引っ越して5ヶ月近くになるが、この間、乗り物に乗ったのは10回にも満たない。

そんなわけで。毎日のようにお芝居の招待状をいただくのだが、ほとんど行かない。中には知り合いの関わっているものもあって、ずいぶん長いこと会ってないから、久しぶりに …‥と思ったりもするのだが、先の出不精に加えて、正直に書いてしまうが、どうせ面白くないんだよな、と思う気持ちがあり、結局不義理をしてしまう。

申し訳ないのだが、家で本を読んだり映画を見てる方が、圧倒的に満たされる。

このブログでも触れた「狩人の夜」は別格にしても、最近見た中では、「日本ゼロ地帯 夜を狙え」(監督 石井輝男)、「緋牡丹博徒 鉄火場列伝」(監督 山下耕作)の面白さに舌を巻く。
ともに60年代後半に作られた、いわゆるプログラムピクチャーで、ストーリー自体はよくある定番的なものだが、そんなよくある話を面白く見せるために、あの手この手を使って(人知を尽くして?)見る者をあきさせない。

石井輝男は、俗悪監督のレッテルを貼られ、一時期一世を風靡したが(おそらくそういう批判に居直ったのだろう、ずばり「ハレンチ」というタイトルの作品もある)、もともとは、清水宏、成瀬巳喜男といった名匠の助監督をつとめたひとだ。
清水は、子供の目をもって作品つくりをした好奇心溢れる監督で、成瀬は、生と死を等価のものとして世界を見る監督。石井には、両監督の<子供の目+非情の目>が根っこにあり、どれだけハレンチで俗悪な世界を描こうと、どこか初々しさがあり、そしてクールなのだ。代表作は、「網走番外地」「責め地獄」「恐怖奇形人間」等々。

藤純子様主演の「緋牡丹博徒」シリーズは全部見ている、と思っていた。「鉄火場列伝」の記憶がないのは、面白くなかったからだろうと思って見ていたら、どれだけ経っても「思い当たる節」がなく、半ばを過ぎて、見ていなかったことが判明。

山下耕作は、日本映画史に残る傑作、「関の弥太っぺ」「総長賭博」の監督だが、この作品もそれらに匹敵する傑作。
純子様のこぼれるような美しさがあますところなく映し出され、要々に、鶴田浩二、丹波哲郎、若山富三郎等々が、まさに適役という役柄で登場して活躍。純子様が、賭場で手本引き(高等花札勝負の一種)で胴をとる長いシーンの途中で、突如、おなじみのこの映画の主題歌(インストゥルメンタルのみ)が流れたときには、鳥肌が立ってしまった! 
しかし、この映画で特筆すべきは、例によって悪役を演じる天津敏! その存在感は圧倒的だ。だって、ワルモンは実質彼ひとりで、一方、イイモンは純子様以下、先に挙げた面々。フツーなら勝負にならないところなのに、これが! 彼等を相手に、(実質)ひとりで互角の勝負をしてしまうのだ。

マジメな<社会派映画>が語る社会正義は、映画館を出た途端に忘れてしまうが、優れた大衆娯楽映画は、<あるべきひとの生き方>を教えてくれる。この二本もそんな映画だ。
改めて、20代に見たこの種の映画に、いまも大きな影響を受けていることを実感した。

残念ながら、この種の映画がベスト10などに選ばれることは、ほとんど(絶対?)ない。
コレ、間違ッテルノコト。





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