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わたしだって一応生身の人間 - 2014.03.17 Mon

木曜日、久しぶりに東京へ。嘘も隠しもない日本国民・竹内某であることを証明してくれる住基カードをさいたま市役所で受け取り、夜はMODEの芝居を、という算段をしていたのだが、時間の計算を間違えて、カード受け取れず。30分早い新幹線に乗っていればなんてことはなかったのに。またもう一度、高い交通費を払って足を運ばなければならない。なんてことだ!

MODE公演「遠い煙」(作 水沼健)。偽札を使うのを仕事としている男が主人公。偽札を作るのではなく、どうやって偽札を使うのか、というところにピントを合わせたのがこの戯曲のキモで、タイトル通り、ひとを煙に巻くような話だが、物語の全容が、あるいは、その狙いがはっきりしない。

男の住まいに押しかけ、帰れといっても帰らない女。そのうち、その女の姉と言う女もその部屋に居ついてしまい、なんだかんだあって、ある日、その<姉>の姿が見当たらないので、女に彼女はどうしたと聞くと、「姉は煙なんです」と答える …。
偽札を警察に届けると5万円貰えるというので、劇の終盤、<姉>は男に黙って偽札を警察に届けるのだが、警察曰く、鑑定したところ、これは偽札ではないという。本物・偽物の境界の危うさと、<姉>の存在の危うさとが重ねあわされているのだろう、しかし。
改めていうまでもなく、お金がお金であるためには、幻想が必要だ。即ち、この1万円札は、明日も明後日も、1年後も10年後も、一万円の価値を保持し続けるはずだ、という幻想が。その幻想がなければ、一万札はただの紙切れにすぎず、ただの紙切れであるという点では、本物も偽物もなんら変わることがない。両者の違いは、国の保証のあるなしだけだ。ということは、本当は偽札なのに、国が本物だといえば、それは本物のお札になるということだ。

舞台もまた幻想によって支えられている。舞台にいる男女が互いをお父さんと呼びお母さんと呼び合っていても、どんなお人好しでも、彼等が本物の夫婦とは思わない。<ふたりは夫婦>ということにしましょうという、作り手と観客の暗黙の了解がなければ、劇は成立しえない。どんな前衛劇であろうと、あるいは、映画や小説でも、もこの点では同じだ。

映画や小説と舞台が違うのは、俳優と言う生身の人間を媒介にするところだ。観客は生身の人間を目の当たりにしながら、いろんなことを感じ、あれこれと考えるのだ。
小説では、Kという記号で示される人物は存在しえても、舞台では存在しえない。俳優は記号ではなく、メシも食えば屁もひる、生身の人間だからだ。ひとは記号にはなれない。

この劇の限界ともいえる酷薄な事実の認識が希薄であるように思われた。
このことに関しては稿を改めて丁寧に書くつもりだが、ここではざっくり書いてしまう。
例えば、別役実氏の大半の戯曲に設定されている電信柱。あれは、まさに見る人を煙に巻くような話を、日常空間(=生身)につなぎとめるための装置以外ではないが、あれに相当する仕掛けが「遠い煙」には欠けている。<煙人間>という不可解な人間のリアリティを保証するためには、そうでない人間、それこそメシを食い屁をひる人間を登場させ、両者を対比させなければならない。そうしなければ、劇は、退屈な<文学>=文学もどきにしかならない。

前述したように、劇は俳優が生命線だといっても、俳優を見続けることに喜びを感じさせるためには、やはり台本の支えが必要だ。ただ彼・彼女がそこに立っているだけでわたし満足、なんて思わせるような俳優はそんなにいない。だから、ほころびが多い台本の芝居はキツイのだ。

あくる日の金曜日。本年度最後の教員会議があり、終了後、退官のご挨拶をと要請される。わたし以外におふたり。そのおふたりは、ともに涙ぐみながら、大学での思い出を話されたのだが、間に挟まれたわたしだけ、4月からの新しい生活の始まりにウキウキしてると話す。この大きな違いは! 
別に照れてたわけではない、思っていることを話しただけなのだが、多くの先生方は、なんと情のないヤツと思われたのではないか。ああ、やっぱりわたしは少数派なのだなあと、改めて確認したことでした。

土・日。少数派を自認しているわたしは、競馬でも穴馬を狙うのが常だ。人気のない馬から何点かを流す。だからたまにしか当たらない、ということは、たまには当たるということで。今週は2コしか的中しなかったけれど(的中率は10%に満たない)、ま、収支トントン。しかし、イロイロあって、疲れますな。

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