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この愚直な女たちを称えよ - 2012.11.08 Thu

公演を終えたからといってすぐに<普通>には戻れない。芝居を作り上げる際に使ったエネルギーの燃えカスがしばらくくすぶっていて、それが高揚感と呼んでいいような高ぶりを容易にはおさめさせないのだ。
が、3日4日と経って、燃えカスから熱もなくなる。と、それで平常に戻るかとそうはいかなくて、高ぶり分を取り返すようにどんどん冷え込んでいく。早い話、なにもする気がなくなっていわゆる欝状態に陥ってしまうのだ。一週間ほど前まで実はそうだった。

当然のことながら芝居を作るためには異常・過剰、尋常ならざるエネルギーを必要とする。年齢のせいもあろうが、日常生活を営むための最低限のエネルギーを取り戻すのに時間がかかるようになっている。

健さんが映画を一本撮り終えるとしばらく世間から身を隠すというのには、同様の理由があるのではないか。

この国にはいい歳をして毎年毎年10本近くの芝居を作っている演出家が何人かいるが、よほどの手抜きをしているとしか思えない。そういう御仁が新国立劇場の芸術監督を持ち回りでやったりしている。茶番だな、この国がやってることはなにからなにまで。

先週末、東京の自宅に引きこもり、競馬とテレビでの映画鑑賞にすべての時間を費やす。ほとんどメシも食わずに!

「ロング・エンゲージメント」に深く心打たれる。

「蒸気愛論」のBGMにもそのサントラを使った「アメリ」の監督、J・P・ジュネと主演女優、オドレイ・トトウコンビによって作られた映画だ。
世の動きに疎いわたしはこの映画の存在を知らず、新作かと思いきや、封切りは2005年だと知って更に驚く。この映画の存在を7年も知らずにいたとは一生の不覚。

いまはネットなどという便利なものがあるのでストーリーは詳述しない。
なににそんなに心打たれたのかと言うと、ヒロインの無謀かつ旺盛な行動力。それはいまのわたしにもっとも必要とされるもの。彼女のそれこそ尋常ならざるエネルギーの蕩尽ぶりに触れて、わたしは「よし、生きる!」と少々だが前向きの気分になれたのだった。彼女は小児マヒで片足が不自由、という設定も効いている。

彼女の生き方の無謀さは、ひたすら前に前にと進む愚直さによって支えられている。
改めて考えてみると、わたしはそういう女性が好きなのだ。

例えば、「シラノ・ド・ベルジュラック」のヒロイン、ロクサーヌしかり。この女の愚直さは愚かしさが勝った愚直さだ。だって、好きな男(イケメン)の声と、その男になりすまして詩的な言葉を重ねて愛を語るシラノ(ブサイク)の声と区別がつかないんだから。バカでしょう。こんなバカだから、好きな男がいる戦場に馬で駆けつける。まさに愚かしいほどに真っ直ぐ。たまらない。

山下耕作監督、中村錦之助主演の「関の弥太っぺ」で十朱幸代演じるヒロイン・おさよもわたしの好きな女性だ。
この女も愚直というより大変なおばかさんだが。先に記したロクサーヌは声の聞き分けが出来ないおばかさんだったが、こっちは顔の見分けがつかないおばかさん。
彼女は幼い時の自分のいわば命の恩人である弥太郎のことが忘れられない。もう十年以上も会ってはいない彼のことを毎晩夢に見るほどで、降るようにある縁談話にもだから耳を貸さない。で、なんだかんだあって。
ある日、弥太郎が彼女の前に現れる。でも、それが夢にまで見た弥太郎本人であることに気づかない。
なぜか? 自分で映画を見て確かめて下さい。
弥太郎をまっすぐ見る十朱幸代の眼差しが美しい。美しいけど結局なにも見えてない目。だから余計に美しい。うん?

どーでもいいけど、オドレイ・トトウはとてもいい。お利口そうなのに愚直。そこがいい。日本の女優さんでいえば、石原さとみはそういう感じなんだけど。本人の意向なのか事務所の意向なのか、必要以上に子供っぽく振舞っている。
ま、日本人は子供好きだからな。大抵の男はロリコンで、大抵の女は少年好みなわけでしょ。
しかし!
昨日もテレビのCMで彼女を見て、「そうじゃないだろ!」とダメだしをしてしまった。



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