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年頭のご挨拶 - 2012.01.12 Thu

9日の夜、ようやく「満ちる」を完結させる。いやあ、長かった。途中、「心臓破り」を書くための中断期間があったにせよ、ほぼ1年がかり。ようやく年があけたという感じです。

しつこくまた書いてしまいますが、いまどき、この国の劇作家と呼ばれているひとで、本番の2ヶ月前に台本を仕上げている作家がいるでしょうか。親しい知人の俳優某は、公演初日が2月半ばだというのに、まだ台本数枚しか貰ってないと、数日前にこぼしておりました(笑)。

いやあ、竹内さんはエライなあ。

しかし、去年は1年で戯曲を3本書くと公言していましたが、それが果たせず。今年はなんとか3本書いてみせるぞと、ここで高らかに宣言しておきましょう。

書き終わったと思ったら、学校の授業が始まり、学生たちが提出した戯曲をほぼ30数本、一気読み。
読むだけなら、とりわけ1年生のものは原稿用紙に換算して平均20枚ほどと短いものなので、さほどの手間ではないのですが、それぞれに寸評を書かねばならず、これには相当時間がかかる。面白いものは面白いと書けばすむのだけれど、大半はそうではないので、なにがどうダメなのかを伝えるのには、やはりそれなりの神経と言葉を使わなければならず ……

昨日は2年生対象の「戯曲研究」という授業で、井上ひさしさんの「父と暮らせば」をとりあげ話す。
正直、井上さんの戯曲はどこかお説教臭くて面倒臭ぇホンだなと思ったりもするのですが、この戯曲は、まあ、知力を尽くしてるというのか、細かいところにまで神経が行き届いた作品。講義しながら改めて感心してしまった。

玄人の作品か素人の作品かを見分けるわたしのポイントは、多幕もの、多場面もの(?)の場合は、各幕各場の始めと終わりを確認します。そこを工夫してるかどうか、ですね。
「父と暮らせば」は、そういうところに抜かりがないわけです。例えば、S1は空舞台に雷鳴が聞こえていて、そこに娘がかけこんできて、「怖い! おとうたん」と叫ぶと、押入れの戸が開いて、中に父親がいて「ここに入れ」という。その父親は実はもう原爆で亡くなってるんだってことはすぐに分かるわけですが、生きてる娘と死んだ父親が狭い押入れで言葉を交し合うという、生死さえも越えた、その異様とも奇妙ともいえる過度な親密さ、その提示から劇が始まるってやっぱり、この物語にかなった始まりだと思うわけです。

肉親同士の過度な親密さの提示で思い出しましたが、いまWOWWOWで一挙連続放映されている「男はつらい」シリーズ。あの中の主人公寅さんと妹のさくらの<近さ>もやはり異様です。
ご存知の方はご存知のように、毎度のように、寅がその時々の旬の女優さんが演じる女性に、惚れては捨てられるというパターンが繰り返されるのですが、その好きになったと当人も思っている女性よりも、明らかに妹・さくらとの親密度の方が高く、また、さくらも夫と言葉を交わしているときよりも、兄との方が明らかに色っぽいのです。

井上さんも「男は …」の監督である山田洋次も、ともに日本共産党のシンパと言われたひと。なにかそこに秘密でもあるのでしょうか。

それはそれとして。やっぱり渥美清はいいなあと思う。軽いときは羽根のように軽く、そうでないときは、岩のように硬く重い。とりわけ、旅先で、暗い通りをひとりで歩いているときの、後姿に漂う孤独感たるや、それは寂しいとかそういう感傷的なるものを超えて、自ら選び取ったもの、他を完全に遮断する厳しいもので、それは演技と言うより、あのひとの世界観ではないかと推測される。
芝居が上手いとかなんとか、そういうレベルではないのです。


なあんてことで。さほどの数がいるとも思えませんが、日頃これをお読みいただいてる皆々様、本年もよろしくお願いします。



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