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お客様が神様ならば - 2011.10.11 Tue

「心臓破り」無事終了。6ステージもやって客なんか来るのかという心配は杞憂に終わった。劇団としては過去最高の集客。

客の入りなど二の次三の次と考える向きもあろうが、わたしはそういう考えに与しない。映画や本と違って、芝居は現れたそばから消えてしまうものだ。今日、今、見てもらわなければしょうがない。
また、20年前30年前、そう、バブルの時代でみんなが浮かれてた時には、それを異化する少数派の存在意義は確かにあって、例えば、旧真空艦などという劇団は、10人20人の観客相手に公演を続けていて、その事実がわたしだけでなく、決して少なくない演劇の現場の人間にとって脅威だったのだ。もちろん、その高い完成度あってのことであることは言うまでもない。

高い完成度。問題はそこにある。いったいそれを誰が求めているのか。というか、いったいそんなものがこの世にあるのか、必要なのかが問われてしまう時代になっている。

AKBがいい例だ。彼女たちが支持されているのは、むろん完成度の高さゆえでなく、未完成であるがゆえに自分が応援してやらなければという、ファンが<自分は彼女たちにとって必要な存在>という幻想をかきたてるがゆえなのだ。

総選挙でナンバーワンを決めるというのは、まあ、誰でも思いつきそうなことだが(といって、それを実際実行するとなると大変な勇気がいる)、じゃんけんで重要なことを決める(なにがあれで決められるのか知らない)というのは、要するに、世の中で成功してるひとって、完成度や才能の有無、努力の質量など問題ではなく、運がいいひとでしょ、という究極のニヒリズム的発想がその背景にあり、更には、たかがじゃんけんを見世物、一大イベントにしてしまう人々の脳の中はいったいどうなっているのか。考えるだに空恐ろしい。

こんなモンスターたちと戦い、かつ、打ち勝つための戦略戦術なくして、演劇はもはやありえない。そういう酷薄な時代にわたしたちは生きているのだ。

話が大きくなりすぎました。
「お客様は神様です」という言葉を自らのキャッチコピーにしたのは、かって国民歌手と言われた三波春夫だが、この言葉は本来の意味から離れて理解使用されているようで、本当は、芸能は神様に供するもの、神様こそ真の客という意味なのだ。
それはともかく。当たり前のことだが、客席にはいろんなひとがいる。
今回の公演では、わたしがいわゆる前説というのをやった。最初に話したのが、携帯のスイッチを切ってほしいというお願い。三日目からは、それに、上演中の飲食やカメラ撮影はご遠慮下さいというのもつけ加えた。そういうひとがいたという客からのタレこみがあったからだ。
でもでも。わたしの本音を言えば、携帯が鳴り、カメラのフラッシュが光り、せんべいを噛み砕く音が聞こえる等々に、どうしてそんなにナーバスになるのかと思うのだ。観客のアンケートの中に、子供や幼児を客席に入れるな、みたいなことが書かれていたらしい。むろん、鑑賞の妨げになるじゃないかと言うことだろう。
これらの音や光をノイズとして客席から排除しようという姿勢に、わたしは疑問を持っている。

その昔。転形劇場の芝居を見に行った時。知っている人は知っているように、ある時期以降の転形劇場=太田省吾の芝居は、台詞がまったくないか、あっても極少というもので、そのときもそんな芝居だった。自前の小さな劇場での公演。舞台ともども客席も静まりかえっていて、それこそクラシックの演奏会のように、咳をすることさえ我慢しなければならないような雰囲気。で、わたしの隣の席に座っていたひとが、多分風邪でもひいていたのだろう、ずっと押し殺すように咳をしていたのだが、これ以上の我慢は無理だと判断したというより、他の客の迷惑になると思ったのだろう、劇の途中で出て行ってしまった。その時わたしは、咳も出来ないような芝居はロクな芝居じゃないと思ったのだった。それは客に対する不当な抑圧ではないのか? (携帯の着信音と咳は次元の違う話だが)

芝居は芸術の側面とともに芸能=見世物の側面もある。咳をするな携帯を鳴らすなと主張するのは、演劇の芸術的側面だけを重視するひとだろう。ハッキリ言う。それ、間違ってる。
また、落語や相撲を見に行って咳を制限されることはないはずで、だから、エンターティンメントを自称しながらそれらの制限・禁止を訴える作り手は、わたしに言わせれば笑止千万なのだ。

俳優がやりにくい? 携帯の音程度にたじろぐ俳優は、そもそも俳優じゃないのですよ。
そう言えば、ゴルフでパットを打とうとする時、カメラのシャッター音が気になってみたいなことをよく聞くが、同じだ。そんなこと言ったら他のスポーツ選手、とりわけ、ほとんど騒音の中でのプレーをしいられてるプロ野球の選手なんかどうすんの? って話でしょ。

言うまでもなく、今回来られなかったひとは、来たひとよりも多いわけで。それぞれよんどころのない事情があったはずだと思いつつ、三波春夫的な意味での「お客様が神様」ならば、義理にでも来なければならないはずなのに来なかったひとには、安らかに永遠の眠りにおつき下さい、と言ってしまおう。
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